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ヴアルダイ会議でのプーチン演説(抜粋) 2015年10月22日

Valdaimeeting

 

・核兵器の登場に伴って、世界的な紛争に勝者がいないことが明らかになりました。たった一つの結末があるでしょう。確実な相互の破壊です。

 

・冷戦の終了は思想対立の終了を告げましたが、論争と地政学的な紛争の基盤は残りました。全ての国家は今まで常に、そして今後もまた、それぞれに異なった利害を持ち続けるもので、一方で歴史の歩みはいつでも、国々とその同盟の間での競争に付きまとわれています。・… 重要な点は、この競争が、定められた政治的、法的、倫理的な義務とルールの枠内で進展する、と言うことです。さもなければ、利害の競争と紛争は重大な危機と劇的な爆発を招きかねません。我々は過去にそれが起こつたのを数多く見てきました。今日、不幸なことに、我長は再び同様の状態に出合っています。一方的な支配モデルを推進する試みが、国際法規と世界的な規約のシステムでの不均衡を導いており、それは脅威の存在を意味し、政治的、経済的、あるいは軍事的な競争が制御不能になるかもしれません。・・・今度は新たな兵器競争のスパイラルをもたらすのかもしれません。

 

・ 核の抑止力はその価値を失いました。過去25年の間、力の行使のしきい値 は目覚ましく下がってきています。戦争の認識自体がテレビの視聴者にとって変化してきました。それは、あたかも戦闘で誰も死なず、あたかも人々が苦しむことなく都市や国家の全体が破壊されないかのような、娯楽メディア映像になりつつあったし、いま実際にそうなっています。

 

・こうして、貿易と制裁による戦争が今日の世界経済の現実となっています。制裁はしばしば、圧力を加える不公正な競争の、あるいは競争を市場から完全に「追放する」ための道具としても使用されます。一つの例として、私はアメリカによってヨーロッパのものを含む企業に対して科せられる露骨な罰金の大流行を取り上げることができるでしょう。アメリカの一方的な制裁に敢えて違反する者は誰でも厳しく罰せられることになります。

 

・世界的な情報空間もまた、今日、戦争によって揺り動かされている、という言い方ができます。出来事についての「唯一正しい」視点と解釈が激しく人々に押し付けられ、特定の事実が覆い隠されるかまたは改ざんされています。常に言論の自由とか情報の自由な拡散といつたものの価値を強調してきたように思える国々の指導者たちは、いまや、自分たち自身のものとは異なる 客観的な情報やあらゆる意見の拡散を、妨害しようと試みています。彼らはそれを、明らかに非民主的な手段を用いながら、戦うべき忌々しいプロパガンダであると断定します。

 

・イスラム国の人たちは、資金を求めて、食糧を得るために戦っているのです。 彼らは思想的な理由のために戦ってなどいません。一方で彼らの実体とやり方は同じままです。テロ、殺人、そして人々を弱気で怖がりで従順な群衆に変えることです。

 

・イスラム国に対する戦いの中でアメリカの我が同職たちとその同盟者たちの払う努力が、何一つ明確な成果を挙げてこなかったのはどうしてでしょうか?はっきりしているのは、それが軍の装備や能力のいかなる欠如によるものでもないことです。テロリストたちに対して、宣戦布告し、同時並行的に 自分自身の利益に併せて中東のゲーム版にコマを配置するべく彼らの一部を利用しようと、こんな風に思っているのかも知れません。もし一部のテロ リストが、誰かにとって気に食わない政権を転覆するための破壊道具として使われるのなら、テロリズム全般と戦うことなど不可能です。それらのテロ リストたちを取り除くことなど決してできません。

 

・我々は、中東で戦っている武装勢力がロシアを含むあらゆる人々に対して脅威を与えていることを非常によく知っています。ロシアはいつでもあらゆるテロリズムと戦ってきており、この邪悪と戦う世界的なコミュニティの努力と真に連帯するために絶えず戦いを唱えてきました。それが、我々が幅広い反テロ同盟を作るように提案した理由です。シリアの公式な指導部が我々に支援を要請した後に、我々は同国でのロシアによる軍事作戦を立ち上げる決意をしました。私は再び強調しましょう。それは完全に合法的であり、その唯―の目的は平和の回復を助けることです。・・・シリアの公式な指導部が我々に支援を要請した後に、我々は同国でのロシア による軍事作戦を立ち上げる決意をしました。私は再び強調しましょう。そ れは完全に合法的であり、その唯―の目的は平和の回復を助けることです。・・・シリアの公式な指導部の崩壊はテロリストを活動的にさせるのみでしょう。

 

・私があなた方に強調したいことは、その歴史全体を通して、しばしば中東地域が様々な帝国と勢力の間の衝突の場となってきた点です。それらは、境界線を引き直し、この地域の潜在的にある構造を自分たちの好みと利益に合わせて作り変えました。そしてその結果はそこに住む人々にとって必ずしも良いものや利益のあるものではありませんでした。実際に誰一人として住民の意見を聞くことすらしませんでした。自分自身の国に何が起こっているのかを最後になるまで知らされなかったのは中東の住民だったのです。

 

(PDF)ヴァルダイ会議でのプーチン演説_2015.10.22


 

 

 

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