ワールドフォーラム

『新しい文明の提唱―未来の世代へ捧げる』 村田光平 著


 

『新しい文明の提唱―未来の世代へ捧げる』
 村田光平 著

 

(まえがきより、抜粋)

 

  地球と人類の将来に対して、深刻な不安を持っている人の数が大変増えつつあるようだ。 先行きを絶望し、あきらめを隠さない人も指導者の中には散見される。 このような現代の世代に属する者の1人として、私は未来の世代に対して大きな責任を感じる。

 

 20世紀はいくつもの戦争と革命を経験し、大量の殺戮を招いたのみならず、地球環境を 許し難いほど破壊した罪は大きい。また、未来の世代の利益を抹殺して繁栄を築くという罪を犯している。

 

 このような事態を前にして、私は、21世紀は償いの世紀としなければならないと考えている。 そのために、我々は一体何をすべきなのか。大きな柱としては次のように考えている。

 

1 .倫理と連帯に立脚し、環境と未来の世代の利益を尊重する新しい文明を創設すること。

 

2.世界の明るい将来に必要な倫理観と価値観の確立を図るために、マスコミの支援を得て 市民社会の発展を図り、市民社会と政府の間の協力を強化すること。

 

3.知性のみならず、感性と思いやりを備えた地球及び人類の将来と未来の世代の利益をも 視野に入れることの出来る、グローバル・ブレインともいうべき真の指導者を養成すること。

 

私は1996年より3年半、在スイス大使として勤務したが、その間、自ら世界に欠けて いる「未来の世代の代表」を名乗り、市民社会の一員としての立場をも踏まえて幅広い 議論を行い、こうした考えを訴える機会に恵まれた。また、あらゆる機会をとらえて 自分の考えを1,2ページのメッセージにまとめ、度重ねて内外の数多くの有識者と 意見交換を行うことを通じて、市民社会と政府が協力することによって補完し合う ことがいかに重要であるかにつき、確信を得た。

 

 本書のねらいは、我が国において市民社会の成長と発展を願う立場から、特に若い世代 に現代における問題と解決策を提示して、新しい文明の創設に関する活発な国民的議論 を起こすことにある。その意味で、マスコミの重要な役割に大きく期待したい。

 

 私は昨年秋、公職から退いたが、今後とも「未来の世代の代表」として内外に発信を強め ていく決心をしている。今年2月にはインドのTATAエネルギー研究所の25周年国際会議 運営委員として出 席し、各の民間施設の危険性に関するフランスのジャック・アタリ氏 の見解を紹介のうえ、核は軍事、民事の区別なく全廃すべきとの主張を行った。

 

 同会議に出席したマクナマラ元米国国務長官は人的ミスによる偶発事故の危険性を理由 として、核兵器の全廃を熱烈に訴えたが、これにより私の主張に協力な根拠が与えられる こととなった。

 

(中略)

 

 私は、昨年秋から当会学園大学で比較文明を担当し、多くの学生と接する機会を与えられ たが、新しい文明の創設を訴える私に対し、多くの学生からの激励に接しており、学生諸君 の感性に大いに励まされている。読者のみなさんにおかれましては、本書に書かれている 根本的な思想には、共感もあれば疑問もあるだろう。しかり何かが確実に心に残ることを 願ってやまない。そして自分なりの倫理に基づいた市民社会の一員としての「行動」を起 こしてくれれば妨害の幸せである。

 

(中略)

 

 本書を発行できることを、未来の世代と共に喜びたいと思う。

 

            平成12年(2000年)9月吉日  村田光平

 

 

amazonの村田光平著の書籍紹介ページ
「なか見!検索」より  http://urx.red/p3Yg

 

 

村田光平(むらた みつへい)オフィシャル サイト

 


 

 

 

このページのTOPへ▲ サイトマップ

ワールドフォラムYoutbue
ワールドフォラムYoutbue
ワールドフォーラム・レポート

☆ Books ☆