ワールド・フォーラム3月例会では、グローバルな危機管理の専門家として豊富な情報をお持ちになり、特に国際食問題・バイオテロ問題のアナリストとして注目を集める松延洋平氏をお招きしました。国際食料問題アナリスト・ジョージタウン大学法科大学院客員教授・NPO法人 NBCR対策推進機構 副理事長・コーネル大学終身評議員 松延 洋平 氏に、「食品・バイオテロへの警告」-ボーダレスの大規模犠牲者時代に備えて-というテーマでお話戴きました。
先進諸国では、今や最大の「安全保障上の脅威」として、かつてない警戒体制を強化しているのが、バイオセキュリティ(新型インフルエンとバイオテロなど)の課題であります。9.11以来、核攻撃や化学・爆弾テロよりもはるかに大規模な犠牲者が国境を越えて広域に発生するものとして、バイオテロや食品テロの防衛対策は、特に米国では政官産学挙げて全力で取り組まれています。一方、SARSをはるかに越える大規模被害が予測されるのが「新型インフルエンザ即ちパンデミック」も加わり、まさにボーダレスの大悲劇到来の段階時代に近づいている中で、そうした危機に対しても我が国は食料安全保障の課題が極めて低いと言わざるを得ません。加えて、輸入依存の比重が極めて大きいことに加え、最近はバイオ燃料転換や中国・ロシアの台頭により、さらに我が国の食料安全保障の課題が極めて深刻化し、危機的な状況にあるのだとと語られています。「いのちの危機管理」の乏しい我が国を憂うる著名な評論家の柳田邦男氏は、「食の安全問題の日本の第一人者」である松延氏 が、また、さらに豊富な情報と鋭い嗅覚に裏づけを得て発する警告、「「突如の大規模犠牲者の予測」に、私は、戦慄を覚えた」と述べ、「日本の指導者よ、この警鐘を聴け!!と警告を発する同氏の著書、『食品・農業バイオテロへの警告』(日本食糧新聞社)を激賞されておられます。「狙われる食の産業・農業、あなたの会社は大丈夫ですか?」という警告を真摯に受け止め、早急に対応策を取ることが肝腎であり、食の産業や農業に携わる全ての経営者・危機管理担当・品質管理担当の皆様には、必見のテーマです。