ワールドフォーラム8月例会のご報告

餓死迫る日本!?
− 海上輸送と海外食料輸入の途絶で起こる食糧危機 −

小池 松次 氏(あすか会教育研究所所長・教育学者 )

 ワールド・フォーラム8月例会では、昨今、4月の新年度入りとともに突然表面化した国際的な食料資源の囲い込みと穀物輸出国の輸出禁止と穀物価格の急騰による食料危機にある中、日本への食糧供給の途絶がもたらす究極の国家危機についてあすか会教育研究所所長・教育学者 小池 松次 氏をお招きして、「餓死迫る日本 ! ? −海上輸送と海外食料輸入の途絶で起こる食糧危機 −」というテーマで、お話し戴きました。

小池松次氏は、長年教育者として初等教育の教育現場で児童生徒の教育に携さわってまいりました。同氏の妻の実父(義父)故高杉善治氏は、戦時中は学習院軍事教官 兼 御用掛、終戦後には宮内庁御用掛嘱託として今上天皇が学習院初等科に通う頃からお側に仕えして、その教育に携わった方でした。その頃の思い出を小池松次氏に語ったことを記録したのが、雑誌 WILL の2006年1月号に掲載された「明仁天皇の大東亜戦争」という小池松次氏の書き下ろし論文でした。同氏は「明仁天皇の昭和史」という著書を出される予定であり、当時戦時中の日本が追い込まれた、海上輸送と海外食料輸入の途絶がもたらした戦地や日本本土での飢餓状態の日本人の実体験から学んだ知恵と、これから日本民族が直面しようとしている食料危機を乗り越える知恵について、お話戴きました。小池氏は、世界が現在直面している進行中の食料危機と日本が置かれている国際情勢下での自国の食料自給率の低さから、いったん国際政治環境の急速な悪化に伴なう海外物流の途絶がもとらす日本国への影響を探る為に、各官庁を回り、日本への食料輸入の実態調査を、綿密な数値によって調べ上げ行なって参りました。そこで、判明したのは、もし現状の日本のような食料自給率の低さの下で、イラン攻撃に伴なうるイランのホルムズ海峡閉鎖のような石油輸送の途絶のような事件の発生のような何か突発的な国際危機が生じれば、たちまち起こるのは、海上輸送と海外食料輸入の途絶で起こる食糧危機であり、石油だけでなく食料輸送の物流が止まれば、たちまちに先の大戦での戦時中の日本人が味わったような「 飢餓迫る日本!? 」という事態がたちまち出現致します。同氏は、「 餓死迫る日本! 」(学研)という最近著書を、2008年8月初旬に出版されました。時はあたかも、世界的に穀物を初めとする世界各地での食料危機が広がってまいりました時期に、日本の危機を予告・警告する警世の名著であります。

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プロフィール

小池 松次 氏  

小池 松次 氏 昭和3年佐賀県生まれ。長崎青年師範学校(現 長崎大学)を経て東京教育大学(現 筑波大学)教育学科卒業。幼稚園から大学まで幅広く教育学の実習と講義の実務に専念した実践的教育学者。著作や論文は、貴重な教育資料として世界的に認められ、国際情報誌「TIME」(1996.4.22.)には同氏の授業風景が掲載された。著書・論文・マスコミ等で「真の教育再建」は、「教育勅語と修身の復活と普及から」と提唱し続けている教育学者。著書には、「教育勅語絵巻物語」「お年寄りの知恵から学ぶ日本の徳育教育」「修身の教科書」「品格ある日本人を育てた小学国語読本」「明仁天皇の昭和史」(WAC出版)「飢餓迫る日本!」(学研)他。論文;国際情報誌 月刊「WILL」の2006年1月号に掲載された「明仁天皇の大東亜戦争」書き下ろし論文等がある。