「プーチン大統領とロシアの行方」ワールドフォーラム6月総会&国際シンポジウム
爽やかな初夏の季節の到来の今日この頃ですが、皆様におかれましては、お元気にご活躍のことと存じます。2007年度のワールド・フォーラム6月総会(第1部)の季節となり、久し振りに第2部 国際シンポジウムでは、緊迫するイラン情勢の国際政治・外交の中で、米国を牽制しうるもう一つの大国ロシアとプーチン大統領について、ロシアがどのように出て来るのかを、ロシアや旧東欧にお詳しい産経新聞社元モスクワ支局長・現正論調査室長 斉藤 勉 氏とロシア会計学問題専攻の和歌山大学准教授 斉藤 久美子 氏にロシア情勢を分析して戴きました。司会役には、米国情報機関の秘密工作に詳しく、最近著「アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る」(洋泉社)を出版された、調査ジャーナリスト桜井 春彦 氏にお願いし、国際情勢を多方面からの「プーチン大統領とロシアの行方」というテーマで分析して、国際問題シンポジウムを行ないました。共産主義体制崩壊後の大国ロシアでは、1990年代以降の米国の世界の一極支配構造の中でも、プーチン大統領の指導下に国家の建て直しに努め、石油価格の高騰により財政的にも潤い、国力が回復して参りました。2001年9月11日の米国に起こった自作自演の911事件以降は、米国の威信と正当性と指導力が衰える中、自国の安全保障を優先するイスラエルの方針に従いイラン・シリアとの戦端が開かれる惧れも出てきていて、その地続きの隣国でもある、ロシアの出方が益々重要性を増してまいりました。そこでロシア情勢のとロシアの立場と今後の動向にお詳しいジャーナリズムの立場から斉藤勉氏と学界からはロシア会計学研究専攻の斉藤久美子氏に分析して戴きました。
講師プロフィール:斉藤 勉 氏
1949年埼玉県生まれ。東京外国語大学ロシア科卒業。産経新聞社入社。水戸支局、社会部、外深部信部を経て、1984年―85年テヘラン特派員(イラン・イラク戦争)1987年―1992年 モスクワ支局長、1993-1996年 ワシントン支局長、1997-1999年 外信部長兼編集局次長、2000-2003年 モスクワ支局長(2回目)2003-2004年 特別記者(論説委員兼編集委員)2004年7月から現在、正論調査室長&論説委員・特別記者。特にソ連とロシアに2回、計8年半勤務。一連のソ連東欧報道で1989年度「ボーン上田記念国際記者賞」受賞、「ソ連、共産党独裁を放棄へ」のスクープで1990年度「日本新聞協会賞」受賞。「斉藤勉のウォッカ酔夢評のブログ」を公開 http://saitob.iza.ne.jp/ 。著書には「スターリン秘録(扶桑社)日露外交(角川書店)他。
講師プロフィール:斉藤 久美子 氏
1959年大阪府生まれ。九州大学農学部卒業、九州大学大学院経済学研究科。1988年和歌山大学助手、1990年和歌山大学専任講師、1992年助教授、准教授。1992年日本学術振興会特定国派遣研究者として、ロシアのモスクワ大学に在外研究として長期派遣。1995年から旧ソ錬諸国の市場経済化の為継続的技術支援を行なっている。1998年CIS会計士・監査協会名誉会員。著書に解説付「日ロ(英)会計用語集」(北陸環日本海経済交流促進協会)「会計学とディベート」(三恵社) 。
講師プロフィール:桜井 春彦 氏
1955年生まれ。早稲田大学理工学部卒業。株式新聞社記者等のジャーナリズムを経て、雑誌「軍事研究」(ジャパン・ミリタリー・レビュー)で、米情報機関の秘密工作に関する十数本のレポートを執筆。現在の状況に酷似している、1930年代の米国でファシズム政権の樹立を目指すクーデター計画が存在した事実を9・11事件の直前に紹介した。雑誌「世界」(岩波書店)に、「ブッシュ政権の内幕」実態レポートを発表。著書には「テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない」(三一書房)