南出喜久治氏「天皇制・国体と皇室典範」-女帝を認める法改正は可能か?-
2006年の最初のワールド・フォーラム1月例会では、天皇制の制度の根幹に関わる「女帝問題」を考え、天皇制の本質を議論致しました。 現行の皇室典範や憲法をどう考え、基本法たるべき憲法はいかにあるべきかについての議論を、憲法学ではその独特の「日本国憲法無効論」で有名な法理 の展開で名高い、弁護士 南出 喜久治 氏をお招きして、2000年もの長き歴史の中で育(はぐく)まれ、日本歴史が生み出した政治的制度としては最 高傑作である日本民族が生み出した英知の結晶「天皇制や国体」について、「天皇制・国体と皇室典範 -女帝を認める法改正は可能か?-」 というテーマで対論して戴きました。
皇位継承資格継承順位5位の三笠宮寛仁親王殿下が、政府の「皇室典範に関する有識者会議」が打ち出した女性・女系天皇容認の方針に疑問を呈され、 福祉団体「柏朋会」の会報に掲載されたエッセイで以下の点で厳しく批判した。
1.世界に類を見ないわが国固有の歴史と伝統を平成の御世でいとも簡単に変更してよいのかどうか。
2.万世一系,百二十五代の天子様の皇統が貴重な理由は、神話の時代の初代神武天皇から連綿として一度の例外もなく『男系』で今上陛下まで続いてきているとい う厳然たる事実です。
3.皇室典範を改正し、1.元皇族の皇籍復帰 2.女性皇族に養子を元皇族(男系)からとることができるよう定め、その方に皇位継承権を与える 3.元皇族に廃絶になった宮家の祭祀を継承していただき、再興する・・・などの方法を駆使してみることが先決だと思います。
有識者会議の吉川弘之座長は、ただ元東大総長という肩書きだけで座長に選ばれた「ロボット工学専攻」博士という歴史には全くの無知の門外漢の学者 に過ぎず、学識経験をかさに着た小泉政権の「ロボット」にしか過ぎないと考えられ、その人選にも「皇室解体の意図」が隠されているとも思われます。こうし た事情の中で、法的には現行皇室典範と日本国憲法を法理論的には、いかに考えたら良いのかを、優れた憲法の研究家の南出喜久治弁護士をお招きしてお話戴きました。
講師プロフィール:南出 喜久治 氏
1950年京都市生まれ。昭和59年弁護士登録、京都弁護士会所属。謝罪決議違憲訴訟、検定教科書履修義務府存在確認等請求訴訟、NHK訂正放送等請 求訴訟等の原告代理人。日本国憲法無効論で有名。憲法学会会員。著書に日本国家構造論 -自立再生への道―(政界出版社)「現行憲法無効宣言」等。